2012年04月16日

名残の桜オフ

ここしばらく、ブログ放置してます。諸処多忙でした。まことに申し訳ないです。GWで時間ができたら、たまったネタをまとめて上げるつもりですので、いましばらくのご容赦を願います。

と、前置きしての久々更新は、これも久々のオフレポートです。いやー、先日、水庭の新年会にお邪魔して以来なので(すみません、こちらもレポートしそびれた)、久々の外出が楽しかったです。

昨日の日曜日。桜は散り際。天気は快晴。お会いしたのは、ネットで親しくさせていただいている、まいねさんととむ影さんのお二人。私は、お二人とも初対面であったのですが、この春、お二人のお嬢様方が、めでたく受験を突破し、それぞれに進学されることになったお祝いオフに、ちゃっかりお邪魔させてもらうこととなり、この日集結とあいなりました。どうも、快くお誘いいただきまして、本当にありがとうございます。


さて、集合場所はおされな吉祥寺。近場に井の頭公園や、ジブリ美術館もあり、駅前はえらい人出でした。何とか落ち合った我々は、まずは最近話題の「猛禽類喫茶」、その名も「鷹匠茶屋」に向かいます。ここは、鷹やフクロウ等の猛禽類を見ながらお茶できるというお店。実際は、鳥さんは曇りガラス中のにいて、喫茶席からは見えなかったりで、期待したほどでもなかったのですが、窓から覗いて見られた姿が可愛かったので、よしとしましょう。

それから、バスで神代植物公園へ。桜の盛りに来たのは初めてでしたが、散りゆくソメイヨシノはまさに盛大な花吹雪。またソメイヨシノ以外にも、大島系の桜はまさに今が盛りで見応え十分でした。深大寺の古刹もなかなか風情がありました。美しい風景を眺めつつ、盛り上がるオタク話と母話。実に楽しかったです。

残念ながら、遠方に帰るとむ影さんは、ここでリタイア。残る2人で調布でしばしお茶して、お開きとなりました。皆様、どうもおつかれさまでした。また何か機会がありましたら、是非お声をかけて下さいませ。

posted by 波多利郎 at 22:09| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月20日

『柿のへた 御薬園同心水上草介』 梶よう子

4087714209柿のへた 御薬園同心 水上草介
梶 よう子
集英社 2011-09-05

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江戸時代後期、小石川養生所に併設された御薬園は、広大な敷地で多種多様な薬草を栽培し、生薬を生成する施設である。主人公水上草介は、代々御薬園に勤務する同心で、植物の世話を天職としているかのような草食系青年であったが、そんな彼が、御薬園と養生所界隈で起こる事件に、毎度かかわっては解決する羽目になる。

江戸に珍しく、公営の福祉施設であった小石川養生所とその事業に携わる善良な人々。まったりゆったり植物の成長を見守る主人公。お転婆でツンデレという、今時ラノベでもめったにいないベタなヒロイン。これらの人々が織りなす、これ以上無いくらいの癒やし系の物語です。読み終えて、みんながいい人過ぎて何ともいえない気分にはなりましたが、これはこれで、いろいろ疲れているときに、肩の力を抜くにはいいのかも。

そして主人公も、性格は果てしなく控え目でヘタレだが、植物と生薬の知識は半端でなく、それ故に偉い人たちから注目されてしまうという設定。それもなんだかドリームが入っている感じですが。植物知識はおもしろかったので、続きは気になりますが、どんなものでしょう。
posted by 波多利郎 at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月19日

『傷物語』 西尾維新

4062836637傷物語 (講談社BOX)
西尾 維新 VOFAN
講談社 2008-05-08

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『化物語』
の前日譚で、アララギ君が高校3年生になる直前の春休みに起きた事件。阿良々木君はある夜、美貌の吸血鬼キスショットに遭遇し、襲われる。キスショットはそのときなぜか、4本の手足を全て奪われ、吸血鬼としての力のほとんどを無くしていた。彼女の「眷属」とされたことで、文字通り彼女の手足となって、奪われた手足を「ハンター」達から取り戻す羽目になった阿良々木君だったが…。

ちなみに現在アニメ放送されているのは、これとは別の『偽物語』です。字面が似ていて紛らわしいが。

マンガチックで軽ーく描かれているようでも、内容はしかし、とことん理不尽。なんだか70年代の怪奇マンガのような、ベタな暗さと血生臭さがあります。忍野の超人的な「バランス感覚」と、羽川翼の常軌を逸した献身の甲斐があって、何とか『化物語』冒頭時点の「9割方人間」という状態にたどり着いた阿良々木君でした。しかし羽川、あれではあまりにも可哀想すぎる。
posted by 波多利郎 at 11:03| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月16日

『人質の朗読会』 小川洋子

4120041956人質の朗読会
小川 洋子
中央公論新社 2011-02

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2012年本屋大賞ノミネート作品。小川作品を読むのは、『博士の愛した数式』以来の気がします。『博士の〜』はストレートでウェットな泣かせにやられたものでしたが、今回作中で描かれているのは、あまりにも普通の人の、あまりにささやかな日常の情景。

作中の、物語とさえ呼べないような9つの掌編。これらは、某国の遺跡観光ツアーに参加中に、反政府ゲリラに拉致され人質となった人々が残したもの、という設定です。彼らは、100日に渡る人質生活の間、もてあました時間を使って、何か自分のことを書き、それを順番に朗読した、それが録音されて残っていたのだと。

読み出してしばらくは、個々の思い出の、本当にそこらにありそうな日常感が退屈に思えたりしましたが、考えてみると、作家でも波瀾万丈な冒険者でもない、職業も年齢もバラバラな人たちが語る思い出話として、不自然でない物語をそれらしく創作することの方が、本当に作家の技量が必要な挑戦であったかもしれません。明日をもしれない拘束生活にあって、本当に個人的な他愛ない思い出を語ろうとする人々。その営みが次第に愛おしくなっていく不思議さ。人質たちの救出は結局、無残な失敗に終わり、これを残した人々は誰もこの世にいないのですが、その祈りにも似た営みは、その最期まで淡々と続けられたのかもしれません。

生々しい背景を可能な限り省いた、そっけないまでに淡々とした静謐さの中で、何かがじわじわと張り詰め、迫ってきます。
posted by 波多利郎 at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月12日

『叫びと祈り』 梓崎 優

4488017592叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)
梓崎 優
東京創元社 2010-02-24

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2011年本屋大賞ノミネート作品、ちなみに6位。全く予備知識が無かったのですが、何となく文学寄りの重苦しい話を想像していたらしい。読んでみたら、割と本格なミステリーでした。主人公が旅人なので、個々の事件に深入りしすぎないのがいい感じ。

主人公の斉木は、政治経済方面の情報誌の取材で世界各地に派遣される青年。彼が世界の各地で出会う人々は、時として、日本の常識で計り知れない価値観により行動する。そんな斉木が世界の果てで遭遇する殺人を含めた事件。彼は狂言回し兼、探偵となって、事件の背後にある想像もできない謎を解き明かす。

主人公を含め、5人で砂漠を横断するキャラバンの中で起こった殺人「砂漠を走る船の道」
スペインの丘にそそり立つ風車の中から忽然と消えた女性「白い巨人」
ロシアの修道院にある、200年腐敗しない聖女の遺体をめぐる殺人「凍れるルーシー」
伝染病により滅び行くアマゾン奥地の集落で尚、人が殺される「叫び」
岩をくり抜いた洞窟寺院を埋め尽くす無数の装飾「祈り」

まさかのオカルトなオチがあったり、分かりにくいところもありましたが、あり得ない状況での、鮮やかな謎解きは新鮮で、うならされました。難を言えば、斉木君に狂言回し以上に印象に残るものがなく、淡泊すぎたこと。もう少し個性があれば。
posted by 波多利郎 at 17:27| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月26日

コミック大漁

楽しみにしていたのが一気に出ました。

4047278246森薫拾遺集 (ビームコミックス)
森薫
エンターブレイン 2012-02-15

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森薫デビュー10周年を記念してか、その間に描いた単発の短編や、設定やエッセイ、おまけ漫画等をとことん網羅して、単行本に収録したもの。作風も、ちょっとエロいのやら、ファンだったという高橋葉介風のやら、いろいろバラエティに富んでいて楽しい。ファンには待望の1冊です。
ただ、『シャーリー』ですが、いつかちゃんと単行本でまとめられるんですよね、ね。


4777809919わたしのお嬢様 メイド服のお嬢様編 下巻 ドラマCD付き (タツミコミックス)
樹 るう
辰巳出版 2012-02-24

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ほのぼのヴィクトリアン・コメディついに最終巻。
ミスター・マーチが海上で遭難し連絡を絶つ。一時の混乱から立ち直ったメリーは、ミスター・マーチの捜索のために思い切った手を打つ。一方、海軍の協力の下、海上で難破船を捜索するアーサーだったが…。
巻末には20世紀、第一次大戦頃の後日譚あり。ほろっと来ました。マーチ家は相変わらずの波瀾万丈ですが、来る怒濤と混乱の世紀を、おそらくたくましく乗りきっていくことでしょう。


4403671144百姓貴族 (2) (ウィングス・コミックス)
荒川 弘
新書館 2012-02-25

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荒川さんの農業エッセイ、2巻目。相変わらず笑えるが、内容は一段とハード、かつテンション高エ!
今年は『銀の匙』でも早速ブレイクしている荒川さんですが、やはりそのルーツ、というか濃縮元ネタはこのエッセイの方であり、『銀の匙』はそれをフィクションで希釈して再構築した物語なのでしょう。双方それぞれおもしろいです。
明治の北海道開拓民の苦労の話がすげえ、つーか北海道民ハンパねえ。お父様に至ってはもはや人類を超えたかも。日本の農業の現状は本当に笑えないのでしょうが、日本の食を支える人々と動物たちに、せめてもの感謝を捧げます。

鬼灯の冷徹(4) (モーニング KC)鬼灯の冷徹(4) (モーニング KC)
江口 夏実

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密かにおもしろがっていたら、あれよあれよという間に、ブレイクしてきたよ。これから、どうなることやら
posted by 波多利郎 at 11:59| Comment(0) | TrackBack(0) | Comic | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月05日

<今更>2011年総括

すっかり遅くなりまして、今更ですが、2011年に読んだもの他の私的総括を挙げておきます。
ベスト3順不同

●マンガベスト3
『私のお嬢様』 メイド服のお嬢様  樹るう
『ベル デアボリカ』 坂田靖子
『銀の匙』 荒川 弘

●小説ベスト3
『神の棘』 須賀しのぶ
『華竜の宮』 上田早夕里
『折れた竜骨』 米澤 穂信

●映像部門賞
『魔法少女 まどか☆マギカ』

いつにも増して偏ってますなあ。特にマンガ。
寸評は本館にも載せました。

posted by 波多利郎 at 13:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月01日

『化物語』上下 西尾維新

4062836025化物語(上) (講談社BOX)
西尾 維新 VOFAN
講談社 2006-11-01

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4062836076化物語(下) (講談社BOX)
西尾 維新 VOFAN
講談社 2006-12-04

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実はこれが、初西尾維新。最近再放送されているアニメ版の、あまりのクオリティにハマり、つい、原作に手を出してしまいました。アニメも大概セリフが多かったのですが、それでも多少は整理されていたのを思い知った。ストーリー展開に必要な描写って全体の1割くらいで、あとの9割は装飾過剰なボケツッコミで延々迂回されていたような気がするんですけど…。

主人公阿良々木暦(あららぎこよみ)は普通の男子高校生だったが、ある日吸血鬼に襲われて仲間にされかかったところを、「怪異のスペシャリスト」の忍野メメなる人物に救われた、らしい(このエピソードはシリーズの別作品)。ほぼ普通の人間としての生活を取り戻したものの、その後も、ひっきりなしに怪異及び、怪異に悩まされる者達に遭遇する暦。彼はお節介にも、その都度忍野に怪異への対応策を請い、解決に助力してもらうのだが…。

今やラノベの大家として名高い作者ということで、ちょっとお手並拝見な気分で読みました。まあ、ラノベ的お約束がコテコテなのは予想通り。暦が助ける相手が、みんなタイプの違う美少女で、暦が彼女らを助けまくる結果、ハーレム状態になるのも、お約束。まあ、そこに普通よりかなりエキセントリックなタイプが揃ってしまったがために、間違っても入れ食いでウハウハ、という状況にならないのが見ていてツボでしたが。
意外だったのは、作中のオタクネタ。マニアックなのはともかく、けっこう古いです。もしや「高橋葉介」って、今でも人気ですかい?

ともあれ、妖怪ものとしてはなかなかおもしろかった。アニメ化が現在進行形のようですが、コンプリートには相当時間がかかりそうだし、それまでに思いついたところから、ちまちま読んでいくかもしれません。でもさあ、暦君、やっぱり羽川さんの方がいいと思うけど。
posted by 波多利郎 at 18:06| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月31日

『鍵のかかった部屋』 貴志祐介

4048742248鍵のかかった部屋
貴志 祐介
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-07-26

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弁護士の青砥先生と、自称防犯コンサルタントの榎本さんが、密室トリックに挑むミステリーシリーズ第三弾。至極分かりやすいタイトルですが、検索したら同じタイトルの海外ミステリーがあったので、それらへのオマージュなのかも。ともあれ、かなり限定された条件下で、手を変え品を変えながらも、フェアなロジックで構築される密室トリックに、毎度驚かされます。

今回も4編が収録された短編集。中でも表題作は、『悪の教典』のハスミンみたいなのが義理父になったら…?という事件。怖い、怖すぎるよ。
posted by 波多利郎 at 07:49| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月30日

『一朝の夢』 梶よう子

416327250X一朝の夢
梶 よう子
文藝春秋 2008-06-24

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最近『柿のへた 御薬園同心』が話題で、リクエスト中なのですが、なかなか来ないので、先に手に入ったこれにトライ。幕末、安政年間の騒然とした世相を背景に、さえない窓際同心が当時流行していた変化朝顔の交配に没頭する様を描く。事件簿というには、かなり時代色が濃厚な物語。

主人公、中根興三郎は、跡取りの兄の急死により、急遽の跡目を継ぐことになった下級武士。お役目は奉行所の名簿管理という閑職だが、もとより出世に興味もなく、淡々とお役目をこなしては、朝顔の交配に熱中する朝顔オタクな日々を送っていた。妻もなく、世間からは浮きまくりの興三郎だが、朝顔で何とかつながっている人の縁もある。そんな彼には、一生に一度は咲かせたいと願う夢の花があったが…。

珍しく悪役でなかった大老井伊直弼が新鮮でした。ちなみに最近この続編が出たらしいのですが、どうやって続けるのか、ちと想像できなかったりして。
posted by 波多利郎 at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | Novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする